吸引時間は15分とし、上記の性能の真空ポンプを用いることを勧告した。 (3)排水時間 排水時間と排水重量の関係は、参考−1−付録2の図2に示してある。図より、細かな粒子を多く含まない試料については、排水時間は30分で充分であると言える。そのため、試験手順において排水時間は30分とした。 (4)試験結果 ニッケルスラグとカッパースラグに関する試験結果は、参考−1−付録2の表1に示してある。実験結果より、粒径分布と排水後の飽和度の間には、明確な相関があることが分かる。 3.4.5. 既知の液状化物質に関する試験結果 試験法の妥当性を評価するため、流動水分値が計測されている物質についても液状化物質判定試験を行った。流動水分値を含め、試験の結果は参考−1−付録2の表2に示してある。 これらの物質から排出される水の量は非常に少なく、飽和度は排水後も高いままであった。よって、この試験のクライテリアを用いることにより、これらの物質は全て液状化物質であると判定される。このことから、液状化物質判定試験は、BCコードに記載されている運送許容水分値決定法との間に、一貫性を保っていると結論できる。 3.4.6. 試験結果の適用範囲の検討 液状化物質判定試験結果の適用範囲については、3.3節で述べたが、ここでは、その基礎となったデータを紹介する。 試験に用いた試料は、ニッケルスラグとカッパースラグであり、同一の生産ラインから、それぞれ時間をおいて10回サンプリングした。これら試料について真密度及びD10を計測した。結果を、表3.4.6.1及び表3.4.6.2に示す。 表3.4.6.1. ニッケルスラグの真密度及びD10のばらつき(H8) 
表3.4.6.2. カッパースラグの真密度及びD10のばらつき(H8) 
計測結果より、真密度のばらつきは少ないが、粒径分布(D10)はばらつきが大きいこと
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